本来、おせちは、季節の変わり目の節供(節目の日)に歳神様に供えて食べる料理の「御節供(おせちく)」でした。
節日とは、元日と五節句(人日、上巳、端午、七夕、重陽)を指しますが、今では元日に供える料理だけを「おせち」と呼んでいます。
江戸時代後期には正月に食べるものをおせちと呼ぶのか定着したと考えられ、重箱に詰められたのは、かずのこ、田作りなどだったといいます。
明治時代以降には重箱に様々な料理を詰める形となって、戦後は家庭で重箱に入ったおせちを食べるのが一般化しました。1970年代ごろから百貨店が重箱に詰めたおせちを販売するようになり、具材も高級化したといわれます。
おせちを初めて販売した百貨店
日本橋【三越】本店(昭和42年)
ちなみに、デパートのおせちを初めて販売した百貨店は、日本橋【三越】本店の特別食堂で、昭和42年(1967年)のことです。その時、永田町 瓢亭 (ながたちょう ひょうてい)が、特別食堂で予約販売を行いました。当時の販売個数は40個でした。
現在は正月三が日に食べるようになり、家族やお客さまの繁栄を願うために食べるものです。
また、歳神様がいらっしゃる間は煮炊きは控えるという考えや、いつも忙しい主婦が正月三が日くらいは炊事をしないで過ごすためという考えもあります。
お節料理の具材の「エビ(海老)は、腰が曲がるまで長生きするように」
「数の子は、子宝に恵まれるように」「黒豆は、健康でまめに働けるように」「レンコンは、穴が多いことから。将来の見通しが利くように」と、それぞれに願いが込められています。